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【第3回】物流業のM&A動向~物流業界で求められるDXとは?~


2022年5月10日 M&A

物流・運送業者が求められるDXについて、LBPF内で物流業界を担当している玉積がご紹介します。

物流業界におけるこれまでのコラムでは、「物流業界の現状と課題(第1回)」や「物流の2024年問題(第2回)」について触れてきました。

【第1回】物流業のM&A動向~物流業界の現状と課題~ を読む→
【第2回】物流業のM&A動向~物流の2024年問題~ を読む→

今回のコラムでは、同業界が求められている「DXやデータ利活用」について考えていきたいと思います

1.企業のDXへの取り組み状況

AIや5Gといったデジタル技術の進展は、既に我々の生活の中に浸透しつつあり、ビジネス環境も大きな変革が起こりつつあります。また、企業活動においても、昨今の変化の激しい市場環境に対応するべく、データやデジタル技術を利活用することで、競争上の優位性を確保することが求められてきています。

では、実際にこのDXへの取り組み状況はどうなっているでしょうか?

大手信用調査会社の調査によると、「DXを理解し、取り組んでいる企業」は15.7%である一方、約半数超が「取り組んでいない、理解できない、不明」といった状況であり、DXへの取り組みが進んでいないとされています(図A/※1)。

 

実際にDXに取り組んでいる企業を業種別にみてみると、「農・林・水産」や「建設」、「不動産」や「運輸・倉庫」などは、検討を進めている企業は一定数存在するものの、その割合は低い水準に留まっていることが分かります(図B/※1)。

 

検討が進まない大きな要因として、リソース(人材/スキル・ノウハウ/時間/費用)不足を課題に挙げる企業が多いことに加え、「データ利活用の方針や文化がない」とする会社もあることから、「どのように」「誰が」「どれくらいのコスト(人的/時間的)」を見込んで進めて行けば良いのかが分かりづらい状況となっています(図C/※1)。

(※1)帝国データバンク 「DX推進に関する企業の意識調査」より

 

2.物流業におけるDX

国土交通省資料では、物流DXとは「機械化・デジタル化を通じて物流のこれまでのあり方を変革すること」と定義されています(図D/※2)。

情報やコストを「見える化」し、作業プロセスを「単純化・定常化」することで、様々な課題(人材不足、高齢化、働き方改革など)の解決に向け、物流自体のビジネスモデルを変革させていくことが狙いとされています。

 

 

第1回のコラム(物流業のM&A動向 )でも記載したように、物流業界はデータの利活用による変革が最も期待される産業のひとつとされており、最先端技術の導入(例:AI・IoT、自動運転、RFID、AGV等)や、他社/異業種連携によるアライアンス(例:シェアリング、共同物流、ラストワンマイル等)による物流ネットワークの再構築が求められています(図E/※1)。

 

物流・運送会社の課題の一つに積載率の問題があるとされています(図F/※3、4)。

近年のEC市場の活況に見られるように消費者ニーズは多様化してきており、従来型の運送・配送ではそのニーズに対応が出来ないばかりか、積載率が更に低下する可能性も示唆されています。

消費者のニーズが多様化することで、ステークホルダー(荷主や卸・小売等の販売店)においても戦略の変化(多様化への対応)が起こるとされている中、それを繋ぐ役割である物流・運送会社も対応が求められています。

(※2)国土交通省「最近の物流政策について(2021年1月22日)」より
(※3)経済産業省「電子商取引に関する調査」より
(※4)国土交通省「自動車輸送統計年報」より

 

3.物流DXで出来ること

では、物流DXではどのようなことが出来るのでしょうか。現在、実証実験も含めて進められている取組は主に以下の通りとされています。

 

上図を見ると、「輸配送の効率化・省人化」や「データ連携による効率化・労働環境の改善」といった取組を見て取ることができます。

ハード面(例えば自動運転等)については、物流・運送企業では如何ともしがたい領域ではあるものの、ラストワンマイルへの取組みなどは他社との連携を進めることで対応が可能となる領域かもしれません。

一方、第2回のコラム(2024年問題)でも触れたようにドライバー職の労働時間に関する上限規制は直ぐそこまで迫っていることに加え、前項でも記載したように「今以上の効率化」が求められていることは逃れようのない事実であり、デジタル領域における何かしらの手当てを行うことは、物流・運送会社の今後の事業継続に影響を及ぼすひとつの大きなピースであると考えられます。

4.最後に

物流・運送業界のDX化は、他産業と比較しても決して進んでいるとは言い難い状況です。「データ利活用の方針や文化がない」ことや「やり方が分からない」という声がある一方、長期的な目線に立つと放置しておいても良い問題ではありません。

とはいえ、自社単独での取り組みに限界(ヒト/モノ/カネ等のリソース)があることも事実であり、こうした状況に対応する前向きな解決策のひとつとして、M&Aを検討されてみてはいかがでしょうか?

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LBPF玉積

玉積 範将

大手都市銀行にて約11年間に亘り、担当先企業の資金調達/事業成長支援(約5年)及び、
自行の財務企画/予算・投資管理/コスト削減(約5年)、人事研修企画(約1年)に従事。
その後事業会社にて、グループ会社全体のバイサイドM&A戦略/実務に従事。
また、運輸交通/不動産/専門商社を始めとした多様な事業分野において事業・部門戦略/再生・成長計画の策定に関与。
LBPF入社後は、下記事業領域を中心としたM&Aに加え、主に東海、関西及び中四国エリアのカバレッジを担当している。

<主な事業領域>
物流業界(貨物、旅客、MaaS関連(インフラ/IT等))
設備工事業界(電気工事、電気通信工事、管工事)

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